意識高い系が若手を滅ぼす

私の所属する会社には、奇妙奇天烈な会議が存在する。

 

会議と呼ぶには烏滸がましいのだが、ネーミングとしては「新卒者・教育者定例ミーティング」というらしい。

 

名前だけ聞くと一丁前で勇ましいのだが、内実はその昔NHKあたりで放映されていた「10代真剣しゃべり場」(NHKに失礼か)以下のおしゃべり会だ。

 

私もいちおう教育者らしい。

同営業所の主任も教育者だが、我々はそんな馬鹿げた会議もどきに出るなら営業活動をしたいとマトモに参加してはいない。

 

毎週出ている同い年の社員がいるが、これがまた意識高い系で毎回高尚な説法をしているらしい。

 

今回の「20代真剣しゃべり場」では、「テレアポ大会」なる催し物が決まったそうな。

 

営業所長を全て出して、既存社員と新入社員でテレアポ大会をするそうだ。

 

いつまで新入社員と呼んで甘やかしているのかとツッコミどころはあるが、そもそもそんなテレアポ大会なるものをやったところで結果になるのか。

 

彼の話を聞いていると、むず痒くなるようなお利口さんトークが目立つ。

 

随所に横文字を散りばめて、性悪説で見るなら「俺こんな事考えて仕事してるんだぜ、こんな事を知ってるんだぜ、すごいだろ」と見れてしまう。

 

それならば、是非そのゴールから逆算して行動予定を立てて云々の手法で客を魅了し、契約書を獲ってきてくれと言いたくなる。

 

営業とは、私の所属する会社の営業とは、そんな簡単に毎日の行動予定なんか立てられない。

 

これは凄いぞこれは売れるぞと息巻いて大量発注したとある商品は欠陥だらけでお客さんからクレーム対応のオンパレード。

 

今だに残る大量の集金。

 

工事部門はお客さんとコミュニケーションが取れないため、何かにつけて連絡がはいり、時には電車を乗り継いで現場に向かい、工事と客の間を取り持つetc…

 

お客さんから「今から来てよ」と言われ、「ごめんなさいゴールから逆算して考えた結果、今日は一日テレコールしたいので」と言えばよいのか。

 

「それは工事の仕事です」と言って営業が客の要望を無視すればいいのか。

 

私は集金もクレーム対応も顧客対応も嫌いじゃない。

営業の宿命だと解釈しているし、そこで何とか宥めて落ち着かせてひと段落すると、怒りが収まって逆に関係性が良くなることもある(非常に稀なケースであることは認めるが)

 

特に私は営業配属が先月からなので、「今日からあなたの担当です。決して放置しません」と一生懸命話すと「あなたは出来そうね。お願いね」と言ってくれたスナックのママもいた。

 

その場その場で常に目まぐるしく変化する営業現場を全く知らない癖に、自己啓発本やらぼったくりセミナーで語られるような意識の高い説法で行動を縛られては何も出来ないではないか。

 

現場で変わる現場と言ったが、まさしく最近のしゃべり場には営業配属の若手は殆ど参加出来ていない。

 

本来のミーティングがしたければ、各々の部署で各々の判断でやれる日取りを決めておこなう方がいいに決まっている。

 

営業もいて、マーケティング部もいて、運用部門もいるのに全員同じ日に同じ時間で同じ話をしたところで何かが改善されるわけがないだろう。

 

時間は取られ生産性は下がり、金曜の夜で集中力もなく、土日を挟んで月曜日になれば全員忘れている。

そもそも忘れていいようなことをくっちゃべっているだけだから仕方がないのだが。

 

お客様第一、できることの全てを云々と美しい言葉を並べているのなら、そのお客様とやらのために無駄なものを捨て去り対応するのが本来だろう。

 

汚い言葉を使うならば、上の人間の自慰行為を若手並べてしているようなものだ。

 

自慰行為は家でやりなさい。

 

悪い冗談はさておき。

 

結局、テレアポ大会なるものは決まってしまったらしい。

私は勿論そんなものに参加する気はない。

 

上司も本来は根っからの営業マンだから、実質黙認してくれると信じている。

 

営業として結果が出したい、憧れの先輩にようになりたい、最後までお客さんに寄り添って対応していい関係性を作りたい。

 

こんな想いで営業現場に来たのだ。

 

そんなくだらないことで、私の目標を奪われてなるものか。

 

月曜日はテレコールをして、足を運んで、お客さんと言い合いになりながらも何とか持ち堪えて憎きライバル会社から切替契約をゲットしたお客さんから契約書を回収する。

 

そこで必ず契約書を回収し、証明したい。

 

貴方達の言う説法よりも、私の営業の師匠でもある主任から学んだ「現場を回ってお客さんと交渉して泥臭く契約を獲る」手法こそが本当の営業なのだと。